2026.05.15
< わたしにできぬことばかり >
相田みつを
りきんだらダメ
たるんでもダメ
ちからを入れて
りきまない
琴でもギターでも
糸はね
張り過ぎてダメ
ゆるんでダメ
ちょうどいいあんばいの時に
ちょうどいいあんばいの
音が出るんだよね
背筋をのばして
肩ひじ張らず
すんなりさらさら
ゆきましょう
春の水のように―
ことばや
くちではね
簡単なんですが
わたしにできぬ
ことばかり
少しずつ春から初夏へと移り変わり、
日に日に新緑の緑が、いっそう色濃くなってまいりました。
今回ご紹介するのは「わたしにできぬことばかり」。
「張りすぎてもダメ、ゆるんでもダメ」
琴やギターの弦にたとえて語られるそのことばは、
人の生き方にもそのまま重なっているように感じられます。
がんばりすぎても苦しくなり、
力を抜きすぎれば、どこか頼りなくなる。
その“ちょうどいいあんばい”が大切だと
頭ではわかっていても、いざ自分のこととなるとなかなかむずかしいものです。
背筋をのばして、肩ひじ張らず、
すんなりさらさらと生きていくこと。
まるで春の水のように、
やさしく、しなやかに…。
そんな在り方に、どこか憧れを抱きながらも、
思うようにできない自分に気づく瞬間もあります。
「ことばやくちではね 簡単なんですが」
その一行には、
人間らしい正直な苦笑いのようなものがにじんでいるようです。
わかっているのに、できない。
だからこそ、また考え、悩み、立ち止まる。
その繰り返しのなかで、
少しずつ、自分なりの“ちょうどよさ”に
近づいていくのかもしれません。
うまくできなくても、大丈夫。
ときには立ち止まりながら、
今の自分にとっての心地よい加減を探していく。
忙しさのなかで、つい力が入ってしまうときこそ、
ふっと肩の力をゆるめてみる。
そんな時間もまた、
大切なものなのではないでしょうか。
相田みつを美術館
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次回は、2026年6月1日頃にまた違う作品のコラムとリール動画の公開を予定しております。